【溶接をとりまく環境について】
皆さま、お久しぶりです。
2018年4月25日から28日に東京ビックサイトで開催された国際ウェルディングショーを視察してきました。
世界の4大ウェルディングショー(日米独中)の中で
日本のウェルディングショーは、私が昨年視察したエッセン(ドイツ)と比較すると
規模は劣りますが、最新技術の発表の場として技術色の濃い展示になっており
技術者には見応えのある展示会となっていたと思います。
ただし、エッセンと比べて、面積は1/5なのに来客は2倍なので
会場は混雑していて、説明員に質問するのも待たないとダメですね…
まずは、溶接をとりまく状況を考えてみます。
我が国の大問題である少子高齢化は、溶接にも大きな影響を与えます。
人口減少による労働力不足は深刻であり、労働生産人口は年に46~60万人減少していくと言われています。
【日本の生産年齢人口の推移】
出典)総務省「ICT超高齢社会構想会議報告書」(国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(平成24年1月推計)より)
すでに外国人労働力は多くなっており約230万人(総人口の3%)とも言われていますが
単純労働が中心であり、人材育成に難所があります。
また、労働環境は溶接にも大きな影響を与えています。
安部首相が推進する「働き方改革」の実現に向けて“長時間労働の是正”の監督指導が厳しくなる一方で
雇用情勢は求人倍率が高い売り手市場になっており、職種によっては人材確保が困難となっています。
【日本の有効求人倍率の推移】
出典)厚生労働省「一般職業紹介状況(平成29年10月分)について」より
そのような厳しい環境のなか、ものづくりは熾烈なグローバル競争にさらされ
良いものを安く作らなければ、生き残れない状況になっています。
このように非常に厳しい状況ではありますが
東京オリンピック関連事業や自動車産業を中心に好調な業況は続いており
アベノミクスの第三の矢である成長戦略の名のもとに
「国内総生産(GDP)600兆円を実現するため、『生産性革命』に取り組む」
と将来を見据えた設備や技術の投資を促す政策を進めており
実現の一環として補助金、減税など
企業が設備投資しやすい市場機会になっていることも事実です。
溶接をとりまくそのような課題・状況に対して
ウェルディングショー出展各社はどのような課題解決策を提案しているのか?
革新的なテクノロジーであるIoT技術、AI(ディープラーニング)技術、VR技術、センシング技術などを
課題解決にどのように活用しようとしているのか?
次回より皆さまと一緒に見学していきたいと思います。