事例紹介

高圧ガス安全基礎知識(技術編保安について)

高圧ガス安全基礎知識
2.「ガス容器はどのように保管したらよいのだろう?」
ガスの取り扱いを知る


 高圧ガス容器には高い圧力がかけられており、一歩間違えばガス漏洩、大爆発などの大事故に繋がります。ここでは、そのような事故を避ける為に必要な「ガス容器はどのように保管したらよいのだろう?」という疑問に答えられるために、ガス容器取り扱いの基礎知識をまとめました。

(1)容器の取り扱い
(2)緊急時の措置


(1)容器の取り扱い

 ・容器の保管
  区分して置く 充填容器 or 残ガス容器・ガスの種類
  火気厳禁   2m以内NG
  転倒防止   ロープ・鎖で固定
  通風
  直射日光NG
  40℃以上NG

 ・容器の取り扱い
  バルブの方に人がいないことを確認
  急激に栓を開けるのではなく、ゆっくりと開ける
 
 ・容器の運搬
  安全靴と手袋を着用し、正しい運搬方法をとること

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(画像: 日本産業・医療ガス協会)

・漏えい検査
  ガス漏れ検知器…ガスの種類によって検知器の種類がある
  リークチェック…発泡液と呼ばれることも
  高圧ガス容器に圧力調整機を取り付けた時など、定期的に漏えい検査を行うようにする。

 ・使用済み容器の取り扱い
  残圧(0.1MPa以上)を残した状態で消費を止める
  → 異物を混入しないための対策だが、最近はそれ以上使うことができないようになっている。
  容器弁を確実に閉める
  使用後は速やかに返却

 ★外気温と高圧ガス容器内の圧力
  例えば外気温が35℃の時、酸素の充填圧力は14.7MPa。
  しかし、日本では気温が35℃以上になることは稀なので、酸素の充填圧力は
14.7MPaよりも低くなることが多い。

 ★なぜ栓をゆっくり開けるのか?
・静電気が発生し、発火する恐れがある為
・断熱圧縮によって発火する恐れがある為

 ★断熱圧縮とは?
  外部との熱交換が無い状態で、圧縮された(圧力が上昇した)場合に温度が上昇すること。
 
 ★なぜ使用済み容器を速やかに返却するのか?
安全面で危険を伴うから
→放置された高圧ガス容器は、錆びや変形を受けて脆くなっている
→ガス漏洩や爆発に繋がる


(2)緊急時の措置

①事故内容を周囲の人にすぐに伝える
②ガスの供給を止めるなど災害拡大防止処置をとる
③指定避難場所に避難
④緊急連絡体制表に従い、消防署などへ連絡
⑤隊長の指示により、応急処置・消火活動


 高圧ガス使用中のガス漏洩や大火災を防ぐ為には、高圧ガス容器を丁寧に扱うこと、日常点検を怠らないことが大切です。容器保管場所・使用方法が安全規則に則っているか、今一度確認すると共に、ガス漏洩防止等の日常点検の徹底を定期的に呼びかけましょう。


弊社はお客様のガス使用に適したガス設備の提案、ガスの供給、保安のサポートが可能です。

★うちの保管場所の安全は大丈夫かな?
★漏洩防止点検は充分かな?
★放置されていたガス容器を見つけたんだけど… 等…

ガスでお困りの際はお気軽にご連絡下さい。

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