事例紹介

銅めっきなし溶接用ソリッドワイヤー

Arc-Wedling

ほとんどのソリッドワイヤーの表面には銅めっきが施されています。

それでは、ソリッドワイヤーの表面に銅めっきが施されているのは
どのような理由があるからなのでしょうか?

理由はいくつかあります。
ワイヤーの錆びはブローホールの原因になるので、銅めっきによりワイヤー表面が錆びないように
耐錆性を高めています。
さらに、ワイヤーは送給ローラーによって送り出されて、3~10m 程度の長さのケーブルを通過して
コンタクトチップで通電して溶接点まで送られますがケーブルをスムーズに通過する滑り易い表面が
必要なので、銅めっきによりワイヤー送給性を向上させています。
さらに、通電部のコンタクトチップは銅製品のため、銅めっきによって電気抵抗が少なく通電の
安定性を向上させています。

しかし、銅めっきは良いことばかりではありません。

めっき工程前には必ず酸洗工程が必要であり、環境に高付加の廃液には処理費用がかかります。
さらに、銅めっきは溶接中に有害なヒュームとして発生させたり、溶接金属中に不純物として残るので、
メーカーは銅めっきを表面に施さなくても良いワイヤーを開発したという訳です。

私の担当している得意先でも、表面に銅めっきが施されているソリッドワイヤーを使用されていました。
そこで、銅めっきなし溶接用ソリッドワイヤーを提案して、評価して頂いた結果、採用して頂く事が
出来たのです。

その得意先で、銅めっきなし溶接用ソリッドワイヤーを採用して頂いた理由として銅めっきが
施されているソリッドワイヤーと比較してビード外観がきれいという事でした。

ビード外観がきれいというのは、いくつかの根拠が考えられます。

まず、銅めっきはワイヤー送給経路の様々な箇所での接触により傷つけられ、はく離します。
その銅粉はワイヤー送給ケーブルやチップ内にたい積し、ワイヤーのスムーズな送給を阻害します。
はく離した銅粉がなくなる=ワイヤーの送給が安定するという事は、アークが安定するのでスパッタが
少なくなるという事になります。(はく離した銅粉対策でワイヤー送給系統メンテナンスも不要という事です)

さらに、銅めっきが無くなった事により溶接中の溶滴の表面張力が低下するので溶滴の離脱性が向上して、
小粒の溶滴移行が円滑に行われるようになります。(ショートアーク溶接で銅めっきなしワイヤーの使用が
有効であると言われる所以)
つまり、銅めっきなし溶接用ソリッドワイヤーでは短絡回数が多くなるのでスパッタが出ても小粒になる
という事です。

メーカーによると、銅めっきなしソリッドワイヤーは均質な鋼地肌に特殊な表面処理剤をきわめて
均一に塗布しているので、給電安定性および送給安定性が銅めっきありソリッドワイヤーに比較して
格段に優れている。
銅めっきなしソリッドワイヤーをもちいるとアーク長変動およびトーチ振動が非常に少ないスムーズな
溶接がおこなえると主張しています。

私の得意先で銅めっきなしソリッドワイヤーを採用してもらってから、ワイヤーの錆びは問題に
なっていません。
(表面処理剤の効果かワイヤーを使い終わるまでの期間が長くないからかは不確かです)

ただし、電気抵抗の高さ、硬い鉄ワイヤーと軟らかい銅チップの摩擦抵抗が原因でコンタクトチップ
消耗の激しさが起こっています。(現在は対策により改善されています)

弊社では、お客様の使用目的に合わせて、ニーズに合わせた銅めっきなしソリッドワイヤーの提案が
可能ですので、お気軽にお問合せ下さい

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