事例紹介

①【特化則】ってどんな法律?

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 改正版特化則の経過措置期間終了が1年後に迫り、アーク溶接を行う作業環境の見直しに取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。今回、溶接ヒュームが特定化学物質に指定されたことで、主に作業現場の集塵機能と、作業者が着用する呼吸用保護具について、現状の把握と改善が求められています。今シリーズでは、この改正版特化則をクリアする為に必要な情報をお届けします。

 

 

①【特化則】ってどんな法律?

②【特化則】クリアに向けて「換気装置」改善!

③【特化則】をクリアする「呼吸用保護具」は?

④【特化則】対策にオススメ!「床洗浄機」 

2021年3月26日 追記2 を追加しました

 

 

 

①【特化則】ってどんな法律?

 202141日に施行される改正版特化則(特定化学物質障害予防規則及び作業環境測定法施行規則)から、溶接ヒュームが「特定化学物質」に追加されます。これにより、金属アーク溶接等作業現場での安全対策が法律として規定されることとなりました。ここでは、その内容についてお伝えします。

金属アーク溶接等作業…溶接・溶断・ガウジング等、アークを用いた作業全般のこと。

 

 今回の改正によって法律化される安全対策は主に8つの項目に分けられます。その中でも経過措置の有無によってそれぞれ完了期限が設けられています。以下のチェックリストをご確認ください。

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屋外で金属アーク溶接等作業を行う現場の場合、上図中★マークがついた項目のみが適用される。

 

 

全体換気装置の設置 (2021年3月31日までに完了)

 金属アーク溶接等作業を行う作業場おいて、以下3種類の換気装置のいずれかを設置していなければなりません。但し、ここではその換気能力に関する規定はありません。

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(画像)厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署

    興研株式会社

 

 

床の水洗い (2021年3月31日までに完了)

 金属アーク溶接等作業場の掃除方法についても法的に規定されました。以下の項目を全て実施すること、と定められています。

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 弊社では床の清掃に関して、より効率的な床洗浄機や、粒子捕集率の高いフィルターを使用した掃除機をお勧めしております。紹介ページをご用意しておりますので、こちらも是非ご参考下さい。

 

 

特殊健康診断の実施 (2021年3月31日までに完了)

 金属アーク溶接等作業に常時従事する労働者に対して、健康診断を行うことが定められています。①雇入れの際、②金属アーク溶接等作業に配置する際、③及び配置後6ヶ月以内毎に1回、規定の事項について健康診断を実施しなければなりません。また、この健康診断とは別に、じん肺法で定められた「じん肺健康診断」の実施も必要なので注意が必要です。

 

 

溶接ヒューム濃度測定 (2022年3月31日までに完了)

 作業場の安全性を数値化する為、空気中の溶接ヒューム濃度測定を行うことが定められています。改正版特化則適用時の他に、①新たな作業方法を採用する時、②作業方法を変更する時、にも同じ手順で測定を行い、十分なヒューム対策がとれているか確認しなければなりません。更にこの測定結果は、該当作業が終了した後も3年間保存しなければなりません。

 

 

測定結果に応じた換気装置の措置 (2022年3月31日までに完了)

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 空気中溶接ヒューム濃度測定後の動きは上図の通りです。測定クリアの基準値は、空気中マンガン濃度0.05mg/㎥ 以下ですが、これを上回った場合、まずは換気装置について以下のような改善措置を取らなければなりません。

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 弊社では、上記のような換気装置改善措置に併せて対策や商品をまとめて掲載しております。こちらのページも是非ご活用ください。

測定結果が基準値を上回った場合でも、その数値に応じた呼吸用保護具を選定・使用すれば、必ずしも換気装置への措置は必要ない。但し、作業場の環境によっては、ヒューム対策の根本である換気から対策を施すことが推奨される場合もある。

 

 

測定結果に応じた呼吸用保護具選定 (2022年3月31日までに完了)

 金属アーク溶接等作業を行う作業者は必ず呼吸用保護具を使用しなければなりません。特に屋内作業場の場合は、空気中溶接ヒューム濃度測定の結果に応じて、要求防護係数を求め、それを上回る指示防護係数を有する保護具を選定しなければなりません。

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 こちらのページでは、マスクの種類と指示防護係数を一覧でみられる早見表や、選定方法詳細を掲載しています。是非ご活用ください。

屋外での作業の場合、ヒューム濃度測定は必須項目ではない。但し、呼吸用保護具を使用することは必須。

 

 

作業主任者の選定 (2022年3月31日までに完了)

 「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習」を終了した者のうちから作業主任者を選任し無ければなりません。選任された作業主任者は、①作業方法の決定、②換気装置の点検、③保護具使用状況の監視、を行わなければなりません。

 

 

呼吸用保護具のフィットテスト (2023年3月31日までに完了)

 金属アーク溶接等作業に従事する労働者に初めて呼吸用保護具を使用させるとき、及びその後1年以内ごとに1回、 JIS T8150 に定められた定量的フィットテストを行わなければなりません。また、その結果によって求められるフィットファクタが要求フィットファクタを下回る場合は、呼吸用保護具の装着方法やサイズを見直す必要があります。更にこの測定結果は記録を残し3年間保存しなければなりません。

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 以上、改正版特化則の内容についてお伝えしました。更に詳しい内容については厚生労働省が作成した以下のリーフレットをご確認ください。

「金属アーク溶接等作業を継続して屋内作業場で行う皆さまへ」

「屋外作業場等において金属アーク溶接作業を行う皆さまへ」

 

追記1 選定した呼吸用保護具のフィットテストの期限が 2023年3月31日 までへと延長されました。

追記2 測定結果が基準値以上の場合でも、その数値に応じた呼吸用保護具を選定・使用すれば、必ずしも換気装置への措置は必要ありません。但し、作業場の環境によっては、ヒューム対策の根本である換気から対策を施すことが推奨される場合もあります。

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  1. eyecatch4
     改正版特化則では、金属アーク溶接等作業場の掃除方法について以下のように定めています。
  2. eyecatch3
     空気中の溶接ヒューム濃度測定を行った後の措置の1つに、「測定結果に則した呼吸用保護具の選定」があり...
  3. eyecatch2
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