2019年12月18日から21日に東京ビックサイトで開催された国際ロボット展を視察してきました。
引続き展示内容をご紹介します。
溶接を取り巻く状況として、生産性向上のための品質安定が求められています。
ファナックは適応制御機能を使用した品質の安定による生産性向上を提案していました。
レーザーセンサーにより継手形状およびギャップ量を測定して、そのギャップ量に応じて溶接条件をリアルタイムに調整します。
溶接前のワーク単品精度が悪い建設機械部品の課題解決策として提案しているそうです。
ある程度の条件を設定しておけば自動的に調整するので品質安定の自動化になります。
安川電機は、目視検査では見きれない溶接箇所の品質判断システムとして、音響解析による品質モニター管理を展示していました。
溶接トーチ脇にマイクを取付けて溶接音を収集し、正常か異常かを判断します。
異常の場合は、不具合の種類をセミリアルタイムに判定できます。
また、電流値で波形をみてスコアリングする品質管理も展示しており、音と電流値によるシビアな品質管理が可能となりました。
こちらの動画で実演をご覧いただけます
https://info.maruyoshi-k.co.jp/contents/video055
(音響診断は3:15より)
また溶接を取り巻く状況として、自動車軽量化に合わせたマルチマテリアルへの対応が求められています。
ダイヘンは亜鉛メッキ鋼板とアルミ合金を接合するレーザーアークハイブリット溶接システムを展示していました。
アルミと鋼板の異材接合に関しては実用的な強度を確保できないという課題があります。
こちらのシステムではレーザとアークによって入熱をコントロールすることにより、アルミ母材破断する高強度の接合を世界で初めて可能としました。
※デモンストレーションはこちらの動画からご覧いただけます。
https://info.maruyoshi-k.co.jp/contents/video053
その他にも最新技術を活用した展示内容がありましたのでご紹介します。
ABBでは最先端の3Dプリンタ用ソフトウェアとロボットを組み合わせた3Dプリンターロボットを展示していました。
今回は木材と接着剤を使用して椅子を製作していました。
この技術を活用し、コンクリートを使用して構造物の製作もしているそうです。
3Dプリンターにも対応できるレベルの、軌跡精度が高いロボットであるというPRをする目的もあったようです。
他には、VR ゴーグルを使用した3Dシミュレーションも展示されていました。
異なる場所から同じ仮想ルームに入ることにより工場をより良く視覚化、設計することができ、オフラインで稼働が可能です。
参加者が世界のどこにいるかにかかわらず、共同で、しかもリアルタイムで問題を解決できます。
現在日本で進められている5Gイノベーションにより、VRはこれから劇的に普及していくと言われています。
ロボット業界でもVR の活用による生産性向上が期待されます。
その他には、AI(ディープラーニング)技術を活用したバラ積みピッキングが、複数のメーカーで展示されていました。
その中でも安川電機で展示されていたバラ積みピッキングが目を引きました。
デジタル環境上でバーチャルに再現されたバラ積み部品のピッキングを繰り返すことによってスキルを生成し、即座に実機でのバラ積みピッキングを実行するというものです。
こちらの動画で実演をご覧いただけます
https://info.maruyoshi-k.co.jp/contents/video054
今回は溶接を取り巻く課題や最新技術を活用した展示を紹介しました。
最新のテクノロジーを活用して課題解決することがロボットにも求められているのは間違いないありません。
今後も注目していきたいと思います。
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