2017年9月25日から29日にドイツのデュッセルドルフで開催されたドイツエッセン溶接フェア
(SCHWEISSEN & SCHNEIDEN 2017)を視察してきました。
前回に続き、展示内容を報告します。
前回は、人手不足の問題に対して自動化のニーズがあり初心者でも操作が簡単で
使いやすい特徴を持ったロボットであるUniversal Robots社の人間協調型産業用ロボットを
使った展示を書きました。
今回は自動化の主役である主要ロボットメーカー各社の展示内容を書きます。
ドイツの老舗産業用ロボットメーカー“KUKA(クーカ)”
リモートレーザ溶接、レーザ切断、摩擦撹拌接合(Friction Stir Welding)
といった用途別に展示してありました。
これらの装置との組合せでは“KUKA(クーカ)”というアピールを感じさせましたし
“KUKA(クーカ)”ロボットの強みは ※高軌跡であると印象付けられました。
※レーザ光は極細なので、ロボットの移動精度が高くないと
レーザ光を当てたいスポットから外れてしまう。
左がガルバノスキャナヘッドを持ったリモートレーザ溶接
右は摩擦撹拌接合の回転ツールを持っています。
レーザ切断専用のガントリー(門型)ロボット
高軌跡でありながら高速動作を可能にしていると説明員がアピールしていました。
世界4大産業用ロボットメーカーはファナック、安川電機、KUKA(クーカ)、
もう一社はスイスの“ABB”になります。
ABBのブースでは、スポット溶接とリモートレーザ溶接を同一工程で加工する
展示をしていました。
広角エリアセンサーによる安全対策を展示していました。
床面表示エリア別に停止したり、スピードを落としたりするようです。
作業者とロボットの協働への取組みと思われます。
オーストリアのロボットメーカー“igm”は大型溶接システムを展示していました。
外観は日本のラインワークスのようです。
リンカーン(Lincoln Electric)のブースではロボット4大メーカーであるファナック、
KUKA(クーカ)、ABBを並べてどのロボットでも自社の溶接機が使用できる事を
アピールしていました。
ロボットメーカーを問わずに使用できる事で自社の自動化の顧客範囲を広げられる
という事だと思います。
私がロボットメーカー各社の展示を見て感じたのは加工用途、加工精度、
対象ワークサイズなどにより選定されるロボットとして特化していくのか
幅広い用途に使用してもらえるようなロボットにするのかロボットメーカーによる
展示の違いを感じました。