高圧ガス安全基礎知識
3. 「高圧ガスについて届出は必要だろうか?」
ガスの法律を知る
高圧ガスの取り扱いには安全のためにさまざまな法律が定められています。それらに違反した場合、最大で6ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられます。ここでは、高圧ガス取り扱いに関する法律知識をまとめ、「高圧ガスについて届出は必要だろうか?」という疑問に答えます。
(1)高圧ガスの定義(高圧ガス保安法第2条)
(2)製造
(3)貯蔵
(4)消費
(1)高圧ガスの定義(高圧ガス保安法第2条)
圧縮ガス 常用温度又は35℃ 1MPa以上
圧縮アセチレンガス 常用温度又は15℃ 0.2MPa以上
液化ガス 常用温度又は35℃ 0.2MPa以上
圧縮ガスの圧力は気温に比例して上昇する。
・容器に入れた時に「20℃・0.95MPa」であろうと「35℃・1MPa」になるならば、高圧ガスである。
・「35℃・0.9MPa」であろうと「常用温度・1MPa」になるならば、高圧ガスである。
★常用温度とは?
容器・装置などで、そのガスが通常使用される際の温度のこと。
★容器と圧力の関係
「高圧ガス製造」の定義
・圧力を変化させる場合 →高圧ガスを昇圧・降圧
→液化ガスに加圧
・状態を変化させる場合 →圧縮ガスを液化
→液化ガスを気化
・容器に高圧ガスを充塡する場合
・CE(タンク)などで液面を加圧する場合
「高圧ガス製造」の許可と届出
(高圧ガス保安協会)
・許可が必要な場合
第一種ガスのみ・処理能力300m³/日以上
第二種ガスのみ・処理能力100m³/日以上
第一種ガスと第二種ガス・合計処理能力が省令の算式で求めた数値以上
・届出が必要な場合
許可対象未満の処理能力
★それぞれの加工作業において、圧縮後、液化後、気化後、減圧後の状態が「高圧ガス」(1MPa以上)
であれば「製造」に該当する。
例)0MPa → 5MPa の場合、「製造」に該当する
0MPa → 0.5MPaの場合、「製造」に該当しない
★第一種ガス・第二種ガスとは?
「高圧ガス保安法」で定められているガス種の分け方。
・第一種ガス → ヘリウム・ネオン・アルゴン・クリプトン・キセノン・ラドン・窒素・二酸化炭素
フルオロカーボン・空気
・第二種ガス → 第一種ガス以外のガス
★第一種製造責任者・第二種製造責任者とは?
「高圧ガス保安法」で定められている事業所の分け方。
・第一種製造責任者 → 第一種ガスを300㎥以上処理する場合
第二種ガスを100㎥以上処理する場合
第一種ガスと第二種ガスを算式の数値以上処理する場合
・第二種製造責任者 → 第一種製造責任者未満の処理の場合
「高圧ガス貯蔵」とは、一定の場所に概ね2時間以上高圧ガスを停滞させることをいう。
「高圧ガス貯蔵」の許可と届出
・許可が必要な場合
第一種ガスのみ・貯蔵能力3000m³以上
第二種ガスのみ・貯蔵能力1000m³以上
第一種ガスと第二種ガス・貯蔵能力が省令の算式で求めた数値以上
・届出が必要な場合
許可対象未満の貯蔵能力で300m³以上
★第一種ガス・第二種ガスとは?
「高圧ガス保安法」で定められているガス種の分け方。
・第一種ガス → ヘリウム・ネオン・アルゴン・クリプトン・キセノン・ラドン・窒素・二酸化炭素
フルオロカーボン・空気
・第二種ガス → 第一種ガス以外のガス
「高圧ガス消費」とは、高圧ガスを高圧ガスでない状態に変えてそのガスを使用することを指す。
以下の「特定高圧ガス」を一定量以上貯蔵し、消費する場合、国に届出の提出が必要となる。
LPガス 3t以上
液化酸素 3t以上
液化アンモニア 3t以上
液化塩素 1t以上
圧縮水素 300㎥以上
圧縮天然ガス 300㎥以上
特殊高圧ガス 0㎥以上
★特定高圧ガスとは?
「高圧ガス保安法」で定められた「高圧ガス消費」の届出が必要となるガスのこと。
詳しいガスの種類などは上記参照。
★特殊高圧ガスとは?
圧縮・液化のモノシラン、ホスフィン、アルシン、ジボラン、セレン化水素、モノゲルマン、ジシラン
★「消費」と「貯蔵」の違いとは?
「貯蔵」とは…・配管に接続せずに放置してある状態
・配管に接続されているが消費されていない状態
高圧ガスについての法律は、ガスを使用する皆さん、またはその周りにいる公共の人々を守る為にあります。その法律を遵守する為には、どのくらいのガスを使用しているか、どのように使用しているか等、高圧ガスについての今の状況をしっかりと把握し、法律の中でどの条件に当てはまるかを理解することが大切です。その上で、書類の提出等が必要かを判断しましょう。
弊社はお客様のガス使用に適したガス設備の提案、ガスの供給、保安のサポートが可能です。
★うちの使うガスは「高圧ガス」かな?
★この業務内容について届出は必要かな?
★書類はどのように提出するのかな? 等…