2017年に開催されたドイツエッセン溶接フェア(SCHWEISSEN and SCHNEIDEN 2017)の展示内容を報告します。
前回、溶接作業者が高齢化しているが、なり手が少なく、人手不足になっている問題に
対して、初心者のトレーニングや使いやすい溶接機のニーズがあると書きました。
初心者の教育用として、※バーチャルリアリティ(VR:仮想現実)を使った
溶接トレーニング装置の展示が目を引きました。
※溶接トレーニング装置は、正確にはAR(オーグメンテッド・リアリティ: 拡張現実)だそうです。
以前からこの手の溶接トレーニング装置は存在していましたが 近年のVR技術の
発展により機能性能が格段に進歩しているようです。
溶接初心者が、実際の溶接機を使ってトレーニングするのと比較して 安全に短時間に
溶接技術を習得でき、かつトレーニングにかかるコストも安いという売り文句です。
ビンツェル(ABICOR BINZEL)、リンカーン(Lincoln Electric)、フロウニアス(Fronius)などの
ブースに展示してありました。
リンカーン(Lincoln Electric)は全姿勢溶接のトレーニングを付属スタンドで簡単に
準備できるとしています。
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フロウニアス(Fronius)では溶加棒を使ったTIG溶接トレーニングを実演していました。
ビンツェル(ABICOR BINZEL)のトレーニング装置は、溶接機にモニターがあります。
(外観はダイヘンのデジタル溶接機のようです)
トーチの先端はこんな感じです。
画面を見ると、様々な項目が記憶され採点されています。
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溶接業界における若年層不足および、それによる技術力格差の広がりが
深刻化している状況は日本でも変わりないので、将来的に大手を中心に
普及していくのではないかと思います。